小学館と雷句(らいく)誠の問題について
大手出版社の小学館が、漫画家の雷句誠氏に提訴され注目を集めています。雷句誠氏は2001年より2007年まで小学館の週刊サンデーに「金色のガッシュ」を連載していました。電句誠氏の金色のガッシュは2003年、「金色のガッシュベル!!」としてテレビアニメ化され、ゲームにもなるなど大人気。2003年には48回小学館漫画賞も受賞しています。傍目にみればいい関係を築いているように見えるのですが、なぜ雷句誠氏は小学館を提訴をしたのか?直接の原因は、金色のガッシュの単行本用の原稿を小学館が紛失したこと。その原稿は手書きのカラー原画であり美術品としての財産的価値があるということで、小学館の提示した賠償に納得がいかず、損害賠償を求めているのです。雷句誠氏は、今までのいきさつも書いた上で出版社が漫画家を対等な仕事相手としてではなく下に見ている、まじめに努力をしている若い漫画家たちのためにもという思いから小学館を訴えることになったようです。漫画家にとっての原稿といえば子供のようなものなのかもしれません。小学館では他でも原稿紛失が何度かあったようで、再度原稿料を払えばすむだろうという軽い考え方に納得できないようです。出版社にとっての原稿というのは、漫画家とは重さが違うということでしょうか。
漫画家の雷句(らいく)誠氏が小学館を提訴したことで、様々な意見が飛び交っているようです。小学館の編集者の実名をあげて経緯を説明、小学館との摩擦によるストレスでアシスタントとのトラブルや、連載を休んだこともあり2005年には連載を終わらせたいと思っていたようです。その発言を聞き、他の漫画家からも小学館に対しての苦情の発言が出てきています。10年近く経っても原稿料が上がらない、連載を止めたいというと出版物を絶版するなどの脅しのようなことを言われるなどです。もちろん小学館からの言い分は出ていませんし、逆に雷句誠氏の意見をおかしいと思う見方もあります。編集側からの意見もあるはずです。しかし、同業者である漫画家側としては、大事な手書き原稿を軽く見すぎているという思いはあるようです。時間も労力もかけて書いた原稿、特にカラー原稿というのは大変なのだそうです。日本の漫画は今や世界の人たちにも認められた文化であり、日本経済を支えているといっても過言ではありません。雷句誠氏の「金色のガッシュ」だけでなく、小学館では「ドラえもん」や「ポケットモンスター」など世界中で愛されている漫画がたくさんあります。雷句誠と小学館だけの問題ではなく、今後の漫画界のためになる結果を期待したいものです。
小学館が、漫画家雷句(らいく)誠氏に提訴され今までの確執がわかってきたことで、金色のガッシュファンをはじめ漫画ファンに衝撃を与えています。小学館は大手の出版社で、多くの雑誌や本が発売されています。幼児用「めばえ」「てれびくん」、女性ファッション誌「CanCan」「Oggi」週刊誌では「週刊ポスト」など様々な人気雑誌。飯島愛の「プラトニックセックス」や宮部みゆきの「模倣犯」などの書籍でもヒット作を多く出版しています。今回漫画家の雷句誠氏に小学館が提訴されたのですが、提訴問題は過去にもいくつもありました。最近では、女優広末涼子が、誤解を与える記事を掲載されたとして、小学館の「女性セブン」を相手に損害賠償と謝罪広告の掲載を求めていました。2005年には写真家協会会員の加藤雅昭氏が小学館のサライ編集部にポジフイルムを無断複製され、紛失されたと著作権侵害などで提訴しています。小学館などの出版社、原稿(活字など)を扱う仕事は、著作権問題、人権侵害などと隣り合わせ、相互の立場もあり難しい問題なのでしょう。今回の雷句誠氏との訴訟問題は、小学館だけでなくこれからの漫画家と編集側との関係を見直すきっかけとなるかもしれません。